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161号 過去のセンターニュース | 資料集 | 大分県産業科学技術センター

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(1)

成果紹介 - - - -

1- 4

ヨモギの食品素材化と加工食品の開発

難削材のエンドミル加工に関する研究

事業紹介 - - - -

5

「未来竹房 B- スクエア」の創業支援

県産竹材利用促進事業の実施報告

ニュ

ース

- - - -

6

MCPCawar d 2012 でダブル受賞/( 株)リモート

お知ら

- - - -

7

ものづくりプラザ新入居企業の紹介「K- STAGE」

技術研修のご案内

「ものづくりプラザ」がテレビで紹介されました

平成 23 年度業務実績

- - - 8

モギの食品素材化と

加工食品の開発

1. はじめに

ヨモギは古くから薬用に用いられるだけでなく、菓子などの 食品に美しい緑色、独特の風味を付与する目的で広く利用さ れています。今回、明礬温泉協同組合から地元のヨモギを利 用した特産品開発の要望があり、ヨモギを粉末やペースト状 に一次加工し、それを利用した商品開発を共同研究で実施 しました。その成果をここにご紹介します。

2. ヨモギの部位と採取時期による品質

ヨモギは通常、先端の若い葉が利用されています。しかし、 先端部はヨモギ全体からすると量が少ないことから(表 1)、先 端部以外の下葉、茎について利用できないか検討しました。

部位 重量 g 重量割合 %

先端部 2. 9 17. 7

下葉部 6. 4 39. 9

茎部 6. 8 42. 4

表 1 ヨモギの部位別重量

先端部、下葉部、茎部で乾燥粉末を製造し、色と香りの強 さを調べた結果を表 2 に示しました。

色差計で色を測定すると、先端部は下葉部に比べて L値 が大きく色が薄いことが、また香りの強さを香りセンサーで測る と先端部の値が高く香りは先端部が強いことがわかりました。 しかし、下葉部は香りが先端部より少し弱いもののヨモギ特有 の香りは十分感じられ、緑色も濃く食品素材としては十分利 用が可能であると思われました。茎部は残念なことに、色が 緑色ではなく、ヨモギの香りも全くしないことから食品素材とし ては利用できませんでした。

L a b

先端部 44. 5 - 4. 0 22. 2 692

下葉部 38. 6 - 2. 5 22. 0 530

茎部 46. 7 2. 8 17. 7 111

色調

香りセンサー値 部位

表2 ヨモギ部位別の色調と香りの強さ(乾燥粉末)

ヨモギは通常春に採取したものが最も品質が良いとされて います。そこで、明礬温泉地域でヨモギを春季(5月18日)、 夏季(8 月 4 日)、秋季(10 月 19 日)、冬季(1 月 11 日)に採 取し品質を調査しました。

結果を表3に示します。色については春季,夏季に採取し たものの緑色が薄く(L 値が高い)、秋季,冬季に採取したもの は緑色が濃い(L 値が低い) ことがわかりました。香りは春季か ら夏季にかけて強く、その後秋季から冬季にかけて弱くなり、 特に冬季のヨモギの香りが弱いことがわかりました。また、苦 味の原因と推定されるポリフェノールの量は、春季から冬季に かけて連続的に減少することがわかりました。

N o . 1 6 1

2 0 1 2 . 6

Oita Industrial Research Institute

http://www.oita-ri.go.jp/

大分県産業科学技術センターニュース

大分県産業科学技術センターニュース

(2)

L a b

春季 27. 5 - 10. 9 26. 5 772 210

夏季 26. 7 - 8. 9 22. 4 865 158

秋季 23. 2 - 10. 6 22. 1 653 132

冬季 22. 4 - 10. 5 21. 8 316 110

ポリフェノール mg%

表 3 ヨモギ採取時期別の色調と香りの強さ(ペースト) 採取時期

色調

香りセンサー値

3. 苦味除去、緑色保持技術の開発

ヨモギは苦味が強くそのままでは食べることができ

ません。そこで粉末、ペーストなどの食品素材を作るに

あたって苦味を取り除く方法を検討しました。

ヨモギを水またはアルカリ性に調整した水で煮沸し、

苦味の減少と香り、色の変化を調査し、その結果を表 4

に示しました。

水で煮沸処理を行った場合は、3分間煮沸しても苦味

が完全に抜けませんでした。4 分間煮沸すると苦味は抜

けましたが、ヨモギの香りがほとんど無くなってしまい

ました。炭酸水素ナトリウム(重曹)を加えてアルカリ

性にした水で煮沸処理を行った場合は 2 分間の処理で苦

味が完全に抜けてヨモギの香りも残っていました。さら

に水で煮沸したものと比較して緑色が非常に鮮やかにな

りました。

L a b

1分 ++ +++ 29. 5 - 8. 9 24. 5 2分 + ++ 29. 5 - 8. 9 25. 4 3分 ± + 28. 3 - 8. 0 23. 8 4分 − ± 28. 6 - 9. 3 25. 9 0.5分 + +++ 28. 6 - 7. 8 22. 3 1分 ± ++ 28. 3 - 10. 4 23. 8 2分 − + 27. 8 - 14. 1 24. 9 ※ アルカリ水は0.1%炭酸水素ナトリウム溶液 アルカリ水

煮沸時間 処理方法

表4 ヨモギの品質に対する水、アルカリ水煮沸処理の効果

色調 苦味 ヨモギの香り

アルカリ性に調整した水で煮沸することがヨモギの苦味抜き と緑色保持に有効であることがわかったので、炭酸水素ナトリ ウム(重曹)の濃度と煮沸時間を検討した結果、炭酸水素ナト リウムの濃度は 0.1%、煮沸時間は 2∼3 分間が緑色の鮮や かさ、苦味の抜け具合からみて最適であることが判明しまし た。

4. 粉末、ペースト製造技術の開発

アルカリ水で苦味を抜いた後、通風乾燥機で乾燥したヨモ ギを粉末にするために粉砕方法を検討し、その結果を表 5 に 示しました。

高速で破砕あるいは切断処理を行うと,繊維部分が粉砕さ れずに残ってしまい、団子状に絡まって固まり、粉末部分と完 全に分離してしまいました。

それに対して低速で切断した場合は、繊維部分も切断され, 粉末部分と一体化して全体がほぼ均一な粉末製品を作るこ とができました。

また、同じくアルカリ水で苦味を抜いた後、水切りしたヨモギ をペースト化する方法を検討した結果、高速での摩砕、切断 ではペースト化することができませんでしたが、粉末と同じく低 速では繊維部分も切断でき、全体としてほぼ均一でなめらか なペーストにすることができました。

5. ヨモギ粉末,ペーストの加工食品への利用

ヨモギ粉末、ペーストを添加してパン、麺類、饅頭、餅菓子 を製造する時にヨモギの特徴を出すのに必要な添加量を検 討した結果を表 6 に示しました。

パン、麺類、饅頭類では小麦粉に対して粉末で 5%以上、 ペーストで7.5%以上の添加が必要で、餅・団子類ではそれ より多めの粉末で 10%、ペーストで 15%以上の添加が必要 でした。

加工品の種類 粉末 ペースト

麺類 5%以上 7. 5%以上

パン 5%以上 7. 5%以上

饅頭類 5%以上 7. 5%以上

餅・ダンゴ類 10%以上 15%以上

表6加工品の種類とヨモギ素材の添加量

6. まとめ

以上ご紹介しましたように、明礬温泉協同組合と当センタ ーとの共同研究により、優れた品質のヨモギ粉末、ペーストな どの食品用素材が開発できました。この研究成果を活用して、 明礬温泉協同組合ではヨモギを利用した加工食品を商品化 しました。今後さらに様々な商品展開を行う予定です。

(食品産業担当 廣瀬正純 hirose@oita- ri.go.jp)

機種例

高速破砕 ワンダーブレンダー

高速切断 スピードカッター

低速切断 ミンサー

表5 乾燥ヨモギ粉砕方法と品質

繊維部分が団子状にからまって固ま る。繊維部と粉末部が分離する。

同上。繊維部分が高速破砕より 荒い。

繊維部分と粉末部分が一体化し て全体が均一になっている。

(3)

難削材のエン

ル加工に関する

研究

1.はじめに ∼ものづくり現場での難削材加工

現在国内のものづくり現場では、長引く不況や東日本大震 災などによる影響を克服して国際競争に勝ち残るため、いろい ろな改善や工夫を行ってものづくりの付加 価値を高める努力 が行われています。切削加工をはじめとする生産加工技術は、 きわめてオーソドックスな分野ですが、これまで加工が難しか った材料や新しい素材を対象としてより高付加価値な加工を 目指すことは当然の流れと言えるでしょう。もちろんそこでも高 効率・高精度・低コストといった目指す方向は変わりません。

難削材には代表的なものとして、高硬度鋼、ステンレス鋼、 チタン合金、炭素系新素材などがあります。とりわけ金型素材 としての高硬度鋼と、耐食性材料としてのステンレス鋼は、ま すます利用範囲が広がっています。

2.エンドミル切削加工と工具寿命試験

切削工具の中でも、エンドミルはものづくり現場で利用される 代表的な工具です。これについて工具材種、加工材料、切れ 刃形状、加工条件など多くの要因から難削材加工の生産性 の向上のため研究が行われています。これら要因について、 主に高硬度鋼を対象とした当センターでの研究事例を交えて ご紹介します。

図1にコーテッド超硬エンドミルによる工具寿命試験の実験 方 法を示します。工作 機械 のテーブル上に被 削材が固定さ れ、これを回転主軸上に保持されたエンドミルによって工具寿 命にいたるまで繰り返し側面切削します(送り方向は矢印)。こ のとき常に一定の径方向切り込み量(Rd)と軸方向切り込み量 (A d)が与えられます。

3.工具材種

エンドミルによる難削材加工には、超硬合金にコーティング を施したもの(コーテッド超硬エンドミル)が多く用いられます。 また耐摩耗性 や耐欠損 性などの観 点から、超 硬母材やコー ティング被膜の材質改良・開発が工具メーカでの大きなテー

マとなっています。たとえば比較的オーソドックスなA L T iN系コ ーティング被膜に対して、それをベースにした最近のA L SiN系 コーティング被膜やその複合膜を施したエンドミルを比較した 場合、工具寿命試験では切削距離に大きな延びが認められ ます。

4. 加工材料

工具の進歩とあいまって加工材料の改良も進んでいます。 ダイス鋼SKD11は冷間プレス金型用として広く利用されていま すが、これまで被削性に問題があり切削加工の効率向上が課 題となっていました。そのため組織の炭化物を微細かつ均一 に分散させるなど改良を施したSKD11系の新種鋼が開発され 普及しています。例として、炭化物を微細化した焼入焼戻し鋼 Aと、さらに炭化物の組織生成を工夫した最新の冷間ダイス 鋼Bの2 つを比較対象とした工具寿命試験の結果を示します (図2 )。高硬度鋼では、切削距離の増大とともに被削材に垂 直な方向の切削抵抗成分(図1 のF x )が摩耗の進行により顕 著に増大するという特徴があります。最新の材料はSKD11 に 比べ3倍以上切削距離が増加しており、加工材料の進歩で被 削性が向上している現状がわかります。

また、ステンレス鋼は耐食性が高いことから広く利用されて いますが、やはり被削性に劣るため切削加工効率の向上が課 題となっています。一口にステンレスと言っても金属組織の違 い(オーステナイト系、マルテンサイト系、フェライト系、析出硬 化系など)を中心にして、鋼材メーカが用途別に改良したもの などさまざまなバリエーションがあり、被削性も大きく異なってい ます。たとえば最もポピュラーな材種であるSUS304(オーステ ナイト系)に比べて、SUS410(マルテンサイト系)では同様な工 具寿命試験で切削距離が2倍以上となるなどの結果が得られ ています。

5. エンドミルの切れ刃形状

近年、エンドミルの切れ刃形状を工夫することで、難削材切

(4)

削において問題となるびびり振動などに対処しようという考えが あります。不等リードエンドミルは、切れ刃ごとにねじれ角を変 化させたエンドミルで、先端の切れ刃配置も不等間隔となった ものが多く見られます。ここでは前述の焼入焼戻し鋼Aについ て、標準的な切削条件のもとで工具寿命試験を行いました。

切削抵抗の各成分(図1 )の変化を等リードエンドミルとの比 較で図3 に示します。これによると不等リードエンドミルの切削 距離が通常のエンドミルよりも7 割以上伸びていることがわかり ます。これは別の測定でわかったことですが、不等リードエンド ミルでは切削に伴う振動が通常工具に比べて低減される傾向

にあり、これが後述の切れ刃摩耗の進行の抑制に大きく関係 していると考えられます。また図3に伴った実験結果(写真1 ・ 写真2 )に代表的に見 られるように、高硬度 鋼のエンドミル切 削では、その工具摩耗に伴う現象として、切削抵抗の他にもい くつかの特徴があります。まず切れ刃の変化では、切削距離の 増大とともに切れ刃先端に沿って小さなチッピング(欠け)やコ ーティング被膜の小さな剥離が進行していきます。そして切削 距離がさらに進むとチッピングが大きく成長して工具寿命を迎 えます(写真1)。

次に切りくず形状については、新品工具時はきれいな細い カール形状ですが、切削距離の増大とともに、徐々にカール が開き端面のギザギザが大きくなっています。さらに進むと色 が赤紫色から濃青色へと変化し切りくずが千切れはじめます。 そのあと表面に細かい皺状の筋が多く発生するようになり、青 白色に変化しながら工具寿命を迎えます。形状は工具寿命 時にはかなり断裂した様子になります(写真2)。

6. エンドミル切削の加工条件

被削材と工具の一つの組み合わせでも、工具の能力を最 大限に引き出す適切な加工条件の設定が重要です。

熱間金型用のダイス鋼SKD6 1について、一刃送り量f zを変 化させて工具寿命試験を行った際の工具寿命までの切削距 離 の比 較 を図 4 に示 します 。図 4 によれ ば、一 刃 送 り量 f z=0.06mmまでは工具寿命までの切削距離が大きくなります が、それ以上では切削距離は減少しています。すなわち一刃 送り量f zについて切削体積を最大にする最適値が存在するこ とになります。よって生産性を有利にする観点から一刃送り量 など加工条件の適切な設定が大事であることがわかります。

7. おわりに

以上については、平成2 2 年度から実施され ている九州工 業系公設試連携研究「難削性金属材料の精密切削加工技 術の開発」のエンドミル加工部門の結果などを中心にご紹介し ました。この研究は長崎県、熊本県、鹿児島県との共同研究 として実施しています。

(5)

「未来竹房

B- スク

エア」の創業支援

県産竹材利用促進事業の実施報告

1.はじめに

当センターでは、竹工芸産業振興と県産 竹材の新たな需 要開拓に繋げるため、県内において竹工芸や竹材を利用した ものづくりで自立しようとする創業3年未満の竹工芸家などに 制作活動、商品開発、販路開拓等に関わる支援を行ってい ます。

具体的には、県竹工芸・訓練支援センターに設置されたイ ンキュベーション型貸し工房「未来竹房 B- スクエア」の入居 者 3 名を対象に、新たな竹材利用を探る取り組みや展示会 等への出展支援を実施しました。

2.新たな竹材利用を探る取り組み

平成 23年度の入居者は、女性 1名、男性 2名、年齢層 は 30∼50 代、各自が前職歴を持つ方々です。一方で、竹工 芸や竹材を利用したものづくりとしては技術や技能を取得した ばかりで、創業して間もない3 名の共通課題は、新たな竹材 利用を探 る上で幅広 い竹材 利用分 野の情 報や現場経 験が 少ないことでした。

そこで、基本 的な県 内竹産 業の現状を学んだ上で、製 造 企業 4 社や竹材生産林などの現場 2 箇所で技術者や経営者 と交流する取り組みを行 いました。竹製車 椅子、小 径竹材、 割 竹加 工等 の製造 企業 現場を訪問しその技術 や動 向の把 握、竹を活かす里山保全活動への参加、竹材生産林に誘導 する施業の実習などを通して、荒廃竹 林の竹材 利用を考 え 「子供たちに竹の玩具を」、「竹林オーナーになろう」、「竹の空 間演出を全国へ」の 3 テーマが提案されました。

また、製造企業間交流の一環で、各自がエコろうそくとコラ ボレーションした竹灯り製品を試作発表しました。

3. 展示会等への出展支援

さらに、竹 製品の消費拡大 、竹 材利用の促進、竹林整備 への意識啓発を図るために、入 居者自らが企画する展示会 出展を下記の 2 箇所で開催する支援を行いました。

( 1) 「竹楽 竹工芸展」

荒廃竹林整備を里山保全と地域観光振興に繋げる“ おお いた竹あかりの祭典” の催事に合わせ出展することで、竹や竹 製品への関心を高める展示会を企画し、竹田市の竹あかりイ ベント「竹楽」で開催しました。

日時:平成 23 年 11 月 18 日∼20 日 15:00- 21:30 場所:竹田市下本町通り 旧古川屋店舗

竹製品出品数:34 製品、64 点

この展 示 会 中 は、試 作 品展示だけでなく、製作実 演、ワークショップ、竹材利 用提案の発表も行いました。 そ の 結 果 、来 場 者 は 約 500 名、製作実演観覧者 約 150名、ワークショップ参加者 4 名、購入希望は 11製品 27 点、商談 2 社となり、新たな販路開拓の成果も得ました。 また、竹利用提案に 19 名の関心が寄せられました。

( 2) 「未来竹房 3 人展」

一年間の活動成果を広く紹介するため“ 第 98 回 別府八 湯温泉まつり” の期間中に合わせて開催しました。

日時:平成 24 年 3 月 27 日∼4 月 8 日 8:30- 17:00 場所:別府市竹細工伝統産業会館

竹製品出品数:33 製品、40 点

この展 示 会 の来 場 者 は、県 内 外 や海 外 から の観光客を含め約 600 名 で、県 産 竹 材 利 用 を 促進する効果 的な紹介 や啓発が行えました。

4. おわりに

この事業は、県工業振興課が実施する「県産竹材利用促 進事業」の一環として、当センターが入居者の共通課題を支 援するものです。これからも、県産竹材の需要・用途拡大に繋 がるよう具体的で効果的な創業支援を継続して行うこととして います。

(製品開発支援担当 小谷公人 kotani@oita- ri.go.jp)

(6)

M

C PC

award 2 012 でダブル受賞/( 株)

モート

平成 16 年から19 年にかけて、当センター、畜産試験場と ( 株) リモート( 別府市) で共同研究開発した、牛の分娩を監視・ 通報する「遠隔監視システム牛温恵( ぎゅうおんけい)」が、 農業分野での先進的なモバイル活用が評価され、モバイルコ ンピューティング推 進 コンソーシアム主 催 の MCPC award 2012( 注 1) で、審査委員長特別賞とモバイルテクノロジー賞 を受賞しました( 図 1) 。

注 1:MCPC(Mobile Computing Promotion Consortium)は、 国内の通信キャリア、モバイル関連メーカー等による モバイルの普及啓蒙活動等を目的としたNPO団体 http:/ / www.mcpc - jp.org/

図 1 MCPCaward 2012 授賞式の様子

受賞した「牛温恵」は、無線温度センサ、受信器、インター ネット接続器で構成されます。牛の膣内に留置した無線温度 センサで牛の体温を 5 分に 1 回計測し、モバイルインターネッ ト経由で監視サーバに体温データを蓄積します。システムは 図 2 のような体温の変化をもとに、①分娩の兆候を約 1 日前 に予知した場合、②破水または分娩を検知した場合にあらか じめ登録した携帯電話へメールで通報します。技術の詳細に つきましては、当センターの情報誌「センターニュース 139号 ( P.3- 4) 」をご参照ください。

段取り通報4/ 16 9:29 駆付け通報4/ 17 7:29

モバイル M2Mで観える化

図 2 ブラウザによる体温の確認(分娩予知例)

( 株) リモートは、大分県と共同で特許( 第 3938786号)を取 得し、第三種動物用医療機器製造販売業許可(19 製販療 Ⅲ第 18号)を得て、「牛温恵( 商標登録第5130319号) 」を 製造販売しています。図 3の「モバイル牛温恵」はモバイル通 信のエリアであれば利用可能で、導入後の分娩事故率は平 均で 4.0%から0.2%へと大きく低下しています。畜産経営コスト の削減にも貢献しており、導入した農家(執筆時点で 170 件) にも好評です。

図 3 100V 電源だけで設置できる「モバイル牛温恵」

現在、「牛温恵」は牛の発情発見にも使えるようになり、無 線温度センサの形を変えることで、馬の分娩監視用の「馬温 恵」や、豚の発情発見用の「豚温恵」、どじょうやスッポンの養 殖水槽・鶏舎や農業ハウスの温度管理など、農業分野で広く 使われています。システムが温度を監視して適切なタイミング で教えてくれるため、農家では深夜や休日・一定時間ごとの温 度管理から解放されて生活の質の向上につながり、専門家と の情報共有も容易になります( 図 4) 。

図 4 ( 株) リモートの農業M2Mシステム( 注 2)

今後は農業分野だけでなく、①スーパーの冷凍冷蔵商品 棚や保冷輸送車の庫内など温度の履歴管理が必要な産業、 ②醸造樽・酒蔵・温泉・機械設備のように温度の異常監視が 必要な産業などにおいて展開が期待されています。

注 2:M2M(Mac hine to Mac hine)とは、複数の機器がネット ワークを介して情報を送受信する通信形態です。 株式会社リモート http:/ / www.remote.co.jp

(7)

のづく

プラ

ザ新入居企業の紹介

−S

「ものづくりプラザ」は、創業間もないベンチャー企業やセン ターと共同で研究を行う企業を支援するため、平成 16 年度 に、センター内に設置(5 室)されたインキュベート施設です。 入居企業に対して、技術課題の解決に向けた設備面や情報 提供などのソフト面での支援を行っております。

本年 5 月から「K−STAGE」が入居し、無人飛行機及び 無人飛行機用画像伝送装置の開発・製造を行っております。 「ものづくりプラザ」は、現在、空き室が一室あり、6 月 29 日 まで入居者の募集を行っております。詳細はセンターホーム

ページをご覧ください。 山田代表と画像電送装置搭載の無人飛行機

( 企画連携担当 船田 昌 f unada@oita- ri.go.jp)

技術研修のご

案内

センターでは、県内企業技術者の養成・技術レベルの向上 を目的に、技術情報の提供や、品質管理・生産技術・分析技 術等の実践的な研修を実施しています。

平成 24 年度は、14 の技術研修を計画しています。実施時 期など詳細が決定しだい、センターホームページ等でご案内 いたしますので、ご確認ください。

また、個別企業の要望に応じて企画・開催する「オーダーメ イド型技術研修」も実施しておりますので、修得したい技術内 容がございましたら、各担当に直接お問い合わせいただくか、 企画連携担当までご相談ください。

No. 研修名 1 高速度カメラ取扱研修

2 SE M・EDS 技術研修 ∼操作入門編∼ 3 WEB を活用した販売・経営戦略 4 イオンクロマトグラフ技術研修

5 6次産業化を見据えた農産加工品の開発 6 顕微鏡観察のための試料作製方法 7 微小異物のサンプリングと解析セミナー 8 プラズマ発光分析装置(IC P)に関する技術研修 9 絶縁計 技術研修

10 ネットワークアナライザの基礎

11 CA D/ CA M およびエンドミル切削加工技術講習会 12 水銀ポロシメータ 技術研修

13 食品加工技術高度化研修 14 サーモグラフィー取扱研修

( 企画連携担当 船田 昌 f unada@oita- ri.go.jp)

のづく

プラ

ザ」

がテレ

で紹介さ

れまし

県では経済活性化に大きな役割を果たす創業を促進する ため、「おおいた創業促進事業」を実施しています。

県政番組「ほっとはーとOITA」(テーマ:おおいたで創業に チャレンジ!!(5 月 5 日放送))で、本事業の内容(フォーラ ム・セミナーの開催など)や大分県での創業支援の取組み状 況が紹介され、センター関係ではインキュベート施設「ものづく りプラザ」での支援内容と入居企業の(株)イーコンセプトの活 動状況が紹介されました。

番組内容は、現在、大分県ホームページ内のめじろん放 送局で配信されています。

(http:/ / www.mejiron.tv / c hannel/ 4/ list.php? sc=25)

収録の様子

( 企画連携担当 船田 昌 f unada@pref .oita.lg.jp)

(8)

項 目 単位

製品開 発支援

電子・ 情報

機械・ 金属

工業 化学

食品 産業

企画 連携

計量 検定

合計

企業訪問 社 118 112 94 70 99 26 − 519

技術相談 件 292 101 346 220 740 49 − 1, 748

うち 時間外対応 件 0 0 11 15 4 0 − 30

依頼試験

件数 3 41 635 1, 029 1, 167 − − 2, 875

項目 3 113 685 1, 284 1, 174 − − 3, 259

機器貸付

件 13 171 378 517 513 − − 1, 592

時間 47 424 826 2, 249 1, 834 − − 5, 380

うち 時間外利用

件 0 29 18 31 46 − − 124

時間 0 40 22 59 698 − − 819

企業技術研修

日 1 7 5 13 0 0 − 26

人 14 299 52 56 0 0 − 421

特別研究 件 2 1 3 2 1 − − 9

企業ニーズ対応型研究 件 0 4 1 1 5 − − 11

経常研究 件 2 0 2 0 4 − − 8

調査研究・その他の研究 件 1 3 2 2 1 − − 9

試作開発・製品開発 点 5 0 0 0 3 − − 8

出願 件 0 0 0 0 0 − − 0

登録 件 0 0 0 0 0 − − 0

実施許諾 件 13 2 0 0 2 − − 17

論文投稿 件 0 0 0 0 0 − − 0

その他投稿 件 0 1 0 0 1 − − 2

学会口頭発表 件 0 0 0 0 0 − − 0

その他口頭発表 件 3 2 1 1 1 − − 8

産学官交流会等活動

件 5 1 3 1 4 0 − 14

人 6 1 5 1 9 0 − 22

ホームページ情報掲載件数 件 2 8 6 3 2 46 1 68

メールニュース配信件数 件 1 12 8 4 2 39 0 66

技術情報誌発行 回 − − − − − 4 − 4

記事掲載件数 件 7 6 6 4 4 19 2 48

合同研究成果発表会 回 − − − − − − − 4

参加者数 人 − − − − − − − 134

発表件数 件 1 2 1 1 1 0 − 6

報告書等発行 回 − − − − − 2 1 3

研究報告掲載件数 件 3 2 4 0 6 0 0 15 講習会・研修会の開催

件 0 12 1 0 2 0 2 17

人 0 579 20 0 103 0 29 731

科学技術フェア(来場者数) 人 − − − − − − − 517

体験型催事関係 催事数 1 2 2 1 2 − 1 9 ※ 延べ参加者数 人 36 39 50 36 49 − 23 233 研修生の受入

( インターンシップ等)

件 0 1 2 0 0 0 0 3

人 0 1 2 0 0 0 0 3

研究会活動 研究会 数 0 0 0 0 2 0 − 2

報道取材等対応 回 17 8 1 0 1 0 0 27

視察・見学対応

件 2 0 6 6 0 0 0 14

人 13 0 57 63 0 0 0 133

展示会出展

回 3 3 1 0 1 0 − 8

点 4 6 1 0 1 0 − 12

産業技術連携推進会議等活動

回 7 0 2 5 3 0 − 17

人 8 0 2 8 6 0 − 24

他機関への事業協力 件 2 0 0 4 1 0 − 7

講師派遣

件 1 1 1 0 3 0 − 6

人 1 1 1 0 17 0 − 20

審査委員派遣

件 6 1 0 0 13 15 − 35

人 6 1 0 0 17 15 − 39

外部委員等派遣

件 4 6 4 0 5 16 − 35

人 5 6 4 0 7 16 − 38

2 3

技術情報おおいた 〔大分県産業科学技術センター ニュース〕 No. 161 発行 2012 年 6 月 6 日 〒870- 1117 大分県大分市高江西1 丁目 4361- 10

参照

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